The bourbon whiskey 2/9
お客様からよくされる質問、
「”スコッチウイスキー”と
”バーボンウイスキー”って
何が違うの?」
かなりおおまかに言うと
「スコッチウイスキー」は
スコットランドで造られる
原料が大麦麦芽の蒸留酒。
「バーボンウイスキー」
はアメリカで造られる
原料の半分以上がとうもろこしの
蒸留酒。
17世紀初頭、
新大陸アメリカへ渡った
イギリスの移民「スコッチアイリッシュ」
たちはすでに本国の蒸留技術を
持っており、
移民先で農業のかたわら、
その地で採れる穀物を用い
蒸留酒造りをしていました。
しかし1791年、
当時のジョージワシントン大統領は
国内財政を安定させるため
ウイスキーに課税、
スコッチアイリッシュの農民たちは
その課税を嫌い
当時まだ外国であった
ケンタッキーやテネシーなどに
移り住み、
とうもろこしなどを主な原料にした
バーボン造りをはじめたのです。
そのためバーボンの蒸留所は
ケンタッキー州とテネシー州に存在し、
特にケンタッキー州には
「ジム・ビーム」「フォアローゼス」
「ワイルド・ターキー」
など今ではメジャーな大規模蒸留所が
集中しているのです。
しかし、たくさんの蒸留所がひしめく
ケンタッキー州に対し
テネシー州には
たった2ヶ所の蒸留所しかありません。
”Jack Daniel”
「ジャック・ダニエル」と
”George Dickel”
「ジョージ・ディッケル」蒸留所。
この2つは
バーボンウイスキーのなかでも特に
「テネシーウイスキー」と呼ぶことを
許されたところ。
では、なぜ他のバーボンと区別した
呼び方を持つかというと
蒸留直後に、
シュガーメイプル(サトウカエデ)の炭で
一滴一滴、10日ほどかけて濾過する
「チャコールメローイング製法」
という重要な”一手間”が
加えられているということ。
ウイスキーはシュガーメイプルの
木炭のエッセンスを吸収し、
精製され、
まろやかで独特な香りと味わいが
付加されているのです。
しかし!
世界第1位の販売数量を誇る
ジャック・ダニエルの所在地ムーア郡や
ケンタッキー州の約4割の郡は
アルコールの販売を禁止している郡
「ドライ・カウンティ」
(旅行者は除く)であるというのは
ちょっと不思議な話・・・。
禁酒法時代のなごりだそう。
さてさて、そんなバーボンウイスキー。
今夜あたり、くーっと1杯いかがですか?